三輪恭子「祈りと庭」

この度soco1010では、アーティスト三輪恭子による個展「祈りと庭」を開催いたします。三輪恭子は『個』の存在と祝福をテーマに、彫刻、インスタレーション、ドローイングなど多様な手法で制作しています。例えば、自宅の庭の雑草を描いた絵画が象徴する心の奥深くには、走り回る子どもたちや神秘的な風景が密かに描き込まれており、個々の存在を祝福する意図が込められています。本展では、三輪が生活の場で多くの人々と交流する中で得た個人的な体験や気づきをもとに、身近な庭の風景や夢を支持体に、人々の無意識的な空間を探求するような作品が描かれます。この機会にぜひともご高覧ください。

展覧会ステートメント
今回の発表では、人の心の本質やそこに内包されうる祝福の可能性について考察しながら得た、自らの経験やビジョンを絵画や立体造形などを通じて表現します。 近年、私は中学校や高校の講師、対話のワークショップのファシリテーター、さらには占い師として、多くの人々と関わる中で、様々な心の側面に触れてきました。子どもたちの生命力や暴力性、抑圧と自由、支配と抵抗。また、人々が抱える多くの悩みや傷つき、喜びや虚無感。1人ひとりの存在同士が放つエネルギーのせめぎ合いに立ち会いながら、私自身を含めた人の心の有り様を観察することが、視野を広げていくことになりました。どのような規模のコミュニティであれ、私たち一人ひとりが無理のない本質的な姿を求めて安全な場所を切実に探している姿が鮮明に見えてくる一方で、全ての人にその安全性が確保されることがいかに難しいことか。人がともに生きる中で生じるわかり合えなさをどのように受け止めるのか?それぞれの自由とは何か?このままならない現実を前に、私は作品を通じて、人間がその存在を祝福するためのお守りや予祝のようなものを表現したいと願っています。私にできることは火を起こすことです。 本展が発表の場を超えて、観客とともにこれらの問いについて共に考える機会になることを願っています。

日程|2024.12.25 [水] – 2025.1.6 [月](2025.1.1のみ休廊)
時間|12:00 – 19:00
会場|soco1010:東京都足立区千住橋戸町22-48
料金|無料
お問合せ|studio@kyokomiwa.com(三輪恭子)

三輪恭子|Kyoko Miwa

「個」の存在と祝福をテーマに、彫刻、インスタレーション、ドローイングなど様々な手法で作品を展開する。訪れた場所の光をレンズや鏡で紙に映写し、「記憶の物質化」を試みる作品や、九州近郊の島々に残る伝統的な先祖崇拝に関する調査を基にしたドローイング、他者が眠りにつく直前に目にする風景を見る装置の制作など多様な表現方法を通じて、忘れられていく個人や場所の記憶に焦点を当て、その存在への祝福を試みる。近年は、対話を通じて描く「聞き描き」や、タロットカードや心理療法を用いたワークショップも主催。主な展覧会に、2017年「Local Prospects 3 原初の感覚」(福岡)、2019年「VOCA展」(東京)など。

WEB:http://kyokomiwa.com
Instagram:https://www.instagram.com/kyomartworks/


主催|三輪恭子

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